IB教育のプログラム紹介

IBにはPYP(Primary Years Program)、MYP(Middle Years Program)、DP(Diploma Program)の3種類のプログラムがあります。

PYP(Primary Years Program)

プレスクール~G5の初等教育課程(6年間の教育課程)
IB初等教育課程は、国際人を育てることを目的とし、世界各国の教育エッセンスを集めて作られた教育プログラムです。生徒には、探索・実験・発見を通し自発的に学ぶ姿勢が必要とされます。授業の内と外でいろいろな興味を高めていくことに重点が置かれています。

教科:言語・算数・社会・理科・情報技術・図工・体育

MYP(Middle Years Program)

G6~G10の前期中等教育課程(5年間の教育課程)
生徒達は、この時期に独立心と周りとどのように付き合っていくかを学びます。このプログラムでは、生徒の学力向上と生徒の社会的能力や情緒の発達とバランスを重視しています。

3つの基本概念
  • 異文化への気づき
  • 総合学習
  • コミュニケーション
教科:言語A・言語B・人文学系科目・科学系科目・数学・芸術・体育・情報技術

DP(Diploma Program)

G11・G12の後期中等教育課程(2年間の大学進学準備課程)

以下の4つのコンポーネントで構成
  • 6つの科目群から1科目ずつ選択した6科目の学習
  • 課題論文(Extended Essay)の作成
  • TOK(知識の理論-Theory of Knowledge)の学習
  • CAS(Creativity,Action,Service)へ参加

IBディプロマまでの流れ

IBディプロマまでの流れ

これらの中でなんといっても一番関心が高いのはDPです。DPは成績次第で世界各国のトップレベルの大学に入学できるからです。DPを履修するいくつかのハードルをクリアする必要があります。

  1. MYP/IGCSEを一定以上の成績で修了すること。
    DPを履修するには、G10にMYP等の中等教育のカリキュラムを一定以上の成績で修了しなければなりません。学校によっては、MYPではなく2年間のイギリス式カリキュラムIGCSEを採用している学校も少なくありません。 ※IGCSE(International General Certificate of Secondary Education)*G9~10で履修するイギリス式の中等教育カリキュラム
  2. 前提科目群(Pre-requisites)の一定の成績で修了すること。
    数学・化学・物理等の科目に関しては、MYP/IGCSE で関連科目を履修、一定以上の成績で修了しないと希望の科目履修ができないことがあるので要注意です。
  3. ESL(ESOL,SPP…学校によって呼称が異なる)は可能な限り、早く抜けること。
    DPにはESLはありません。DPを履修する学生には各分野の高度な内容を問題なく学習できる英語力が要求されます。少なくともG9開始までにESLを抜けて、通常クラスで学習できることが望まれます。何故なら第2項で述べたように、DPの前段階のMYP/IGCSEでも好成績を取得することが必須だからです。
  4. 日本語(国語)力をきちんと保持する
    DPでは第一言語(母語)の履修が必須になります。後述のLanguage A,日本人にとってはJapanese A が該当しますが。内容はかなり高度、大学の比較文学概論レベル。2年間かけて10冊以上の文学を精読。エッセイを書かなければならないのでかなりのレベルの日本語(国語)力の保持が必須になります。

IBデイプロマの構成

DPは次の4つのコンポーネントから構成されています。DPを取得するにはこれらすべてを規定以上のレベルで修了することが求められます。

6つの科目群から選択した6科目の学習

大学の志望専攻分野にかかわらず、6分野から6科目を選択しなければなりません。
多くの科目にはHigher Level(以後HL)とStandard Level(以後SL)の二つのレベルがあります。HLは大まかに言うと大学1~2年レベルの高度な内容で、2年間で240時間以上の学習、SLは高校最終学年から大学1年レベルの内容で、2年間で150時間以上の学習が前提になっています。原則的にはHLを3科目、SLを3科目履修することが義務付けられています。

コースカウンセラーが許可すれば HL3科目、 SL2科目という変則的受講も認められます。またLanguage B を選択せずLanguage Aを2科目(たとえばEnglish AとJapanese A)履修することができ、修了すればバイリンガルディプロマを取得できます。

各分野の科目例…学校によって開講科目が異なるなるので要注意

  • 第一科目群 Language A(第一言語、母語)
    ・Language A (Literature) / Language A (Language and Literature)  日本人が履修を進められるJapanese A はこの科目群にはいります。 (学校によって選択可能言語が限定されているので注意が必要)
  • 第二科目群 Language(第二言語)
    ・Language B (English, French, German, Spanish ,Mandarin 等)
    ・Latin / Classical Greek
  • 第三科目群Individuals and Societies (人文科学関連科目)
    ・Business and Management / Economics/ History
    ・Geography / Information Technology in Global Society
    ・Philosophy / Psychology / Social & cultural anthropology
  • 第四科目群 Experimental Sciences (自然科学関連科目)
    ・Chemistry /Biology /Physics /Design Technology
    ・Sports, Exercise and Health Science
    ・Environmental Systems and Societies ( 第三科目群としてカウント可)
  • 第五科目群 Mathematics and Computer Science(数学と情報科学)
    ・Mathematics Studies (SL)/Mathematics (SL)
    ・Mathematics (HL)/Further Mathematics (SL)
  • 第六科目群 Arts(芸術)
    ・Theater /Music /Visual Arts/Film Studies

評価の方法:7段階評価、4が合格、全科目4以上が望まれる

課題論文( Extended Essay )の作成

平たく言えば、高校生の卒業論文に相当します。選択した6つの科目の中から1つの科目:通常、大学で専攻したい科目-を選びリサーチのテーマを決定します。担当教員のアドバイスを受け、最大4000語の論文を数ヶ月をかけて書き上げます。この論文を作成することで対象の分析 ⇒知識・資料(データ)の総合 ⇒ 知識・資料(データ)の評価いうリサーチの基本プロセスを体得することになります。

評価の方法:全体の評価 5段階(AからEまで)

TOK (知識の理論-Theory of Knowledge ) の学習

TOK(知識の理論-Theory of Knowledge )の目的は、6つの科目のそれぞれの具体的内容から離れて全体を俯瞰し、知識の関する基本的な問いかけをすることです。日本の倫理社会に相当しますが、方法ははるかに哲学的かつ根源的です。TOKのコースでは、広範なテーマについての文献や記事を読み。それを基に議論をします。

論文のテーマ例
  • 科学的結果は、再現可能であるべきであるとたびたび主張される。他の領域の知識は再現可能だろうか?或いはそうであるべきであろうか?
  • 文学は 他の芸術や学問分野よりより真実を語ることができるだろうか?
  • 知識領域の学問分野への分割と世界の地域を地図上で人工的に分割することを主張する人がいたとすれば。それはどういうことか? あなたの観点から、それぞれの学問分野の境界はどんな性質をもつだろうか?

評価の方法:G11の終了時に行われる各自のプレゼンテーションとG12の後期に作成される1200から1600語の論文によってA-Eまでの5段階の評価が行われます。

CAS(Creativity, Action, Service )へ参加

DPを履修する学生はCASと呼ばれる活動に積極的に参加しなければなりません。芸術活動、社会奉仕活動、社会問題解決のためのプロジェクト 等多岐にわたっています。活動の舞台も学校での活動。居住地域での活動、グローバルな活動の3種類あり、通常学校のCASのコーディネータがアドバイスします。DPの2年間一定時間参加が必須になっています。

学生は様々な活動から啓発され、みずからが社会的存在であることを自覚していきます。

評価の方法:点数評価されませんが、世界ランキングで上位大学ほどCASの活動歴を重視した選考が行われる傾向があります。

DPのスコア
こうしたレベルの高いカリキュラムを履修する学生にとって関心事はやはりスコア。DPのスコアは次のように計算されます。
○科目のスコア 7点満点×6科目 ⇒ 42点 
○ボーナスポイント Extended Eaasy と TOK の評価の組み合わせで付くボーナスポイント最高で3点
 ⇒計45点となります。各科目合格は4点ですから 24点でDP取得ということになります。