学習指導要領に基づき高等学校教育課程の変遷を概観しながら、DPと比較して相違点を明らかにすることにより、我が国の高等学校教育を国際的標準から評価しようとした論文である。科目別の学習だけを見れば、それぞれの週当たりの授業数はDPの方が少ないが、DPには我が国の高等学校にはない「必修コア」と呼ばれるEE、TOK、CASの時間が確保されており、これがDPの特徴となっている。IBは授業外の学習活動の時間が確保されているが、我が国のDPの導入校で空き時間などの時間的余裕がなく、通常の高等学校よりも授業時間数が多くなっていることも指摘されている。